「ドバイの銀行は金利が高い」と聞いて、海外口座や法人設立に関心を持った方もいるでしょう。たしかに、ドバイでは日本居住者でなくても、一定の条件を満たせばドバイのこの高金利の定期預金の口座を開設可能です。さらに、今まで日本で見慣れた預金金利(例:0.2%など)とは異なる数字を掲げ驚く方も多いのではないでしょうか。ただし、高金利の個人向け預金と、事業の決済に使う法人口座は別物です。金利だけを見て会社を設立しても、希望する口座や預金商品を使えるとは限りません。
| 居住者か非居住者か | 条件 | 対策 |
|---|---|---|
| ドバイ居住者向け口座 (金利3% – 8%) | – 給料を会社からもら得る為そこまで口座開設や維持は厳しくはない。 – 毎月のドバイ国内での給与が発生している為銀行が金利なども優遇 | 特になし |
| ドバイに住んでいない方 (金利2% – 6%) | – AML(マネロン防止)や詐欺や犯罪口座転用防止の為、口座開設が難しい。 – 毎月ドバイ国内での給料が発生していなく所得や信用が不明な為、開設してくれない場合がある。 | – AML認可企業が日本での簡単な書類を翻訳・監査し銀行に開設を要求すれば、居住者でなくても開設可能。(MDS会計・監査法人等の大手を利用する方がほとんどです。) – 更にドバイで法人を設立しVISAを取得し、その法人から毎月給与を払い出せば、ドバイ居住者向け口座も開設できる。 |
上記の通り、ドバイ居住者であれば定期預金は高くなる傾向にあります。リスクがある投資や、日本に貯金をしておくぐらいなら定期預金(銀行が潰れない限り毎年、または毎月金利所得を得られる)が最適だということは言うまでもありません。更にドバイは石油資産がある為、世界的に見ても銀行は安定しています。(エミレーツニュース)
更にドバイではVISAの保有要件が緩く、例えばシンガポールなどは年間の半分以上シンガポール国内に在住する必要などがある場合がありますが、ドバイでは法人を設立し投資家VISAを得た後でも、なんと一年に一度の入国でいいというメリットがあります。その為、極論どこか海外旅行の際に乗り換え空港でドバイを選択し、一度国内に入国するだけでもVISAが維持できてしまいます。
この記事では、それら実態や銀行の公式な預金条件と法人設立の実務を照らし合わせ、口座を選ぶ前に確認したい点を整理します。口座開設まで見据えた費用や手続きは、当サイトのドバイ法人設立・VISA・会計の費用解説とあわせてご覧ください。
最初に確認すること: 欲しいのは「個人の資金を置く預金口座」でしょうか。それとも「請求・入金・経費決済をする法人口座」でしょうか。この違いが、居住要件・必要書類・銀行審査・金利の見方を変えます。
ドバイの高金利は誰でも使える?銀行の公式条件を確認
UAE中央銀行は、2026年9月に翌日物預金ファシリティーの基準金利を年3.90%へ引き上げました。ただし、中央銀行の基準金利は、利用者が預金で受け取る金利ではありません。実際の利率は、銀行・商品・残高・給与振込・利用条件などで異なります。以下は2026年10月5日時点に銀行公式ページで確認できた、個人向け商品の例です。いずれも申込前に最新条件をご確認ください。
| 商品の例 | 公式サイト上の金利表示 | 主な条件・注意点 |
|---|---|---|
| Mashreq NEO PLUS Saver | 給与振込の条件を満たすと年6.25%、給与振込なしでも条件を満たすと年5% | 年6.25%は月額AED 10,000以上の給与振込、年5%は月平均残高AED 50,000以上などの条件あり。利息対象はAED 500,000までで、月2回を超える引き出しは当月の利息が支払われません。 |
| Wio Personal Salary Plan | 対象のFixed Saving Spacesで最大年6% | UAE居住者の個人向け及び非居住者でも条件を満たしている場合可能。原則、月額AED 15,000以上の給与振込(提携企業の従業員はAED 5,000以上)が条件。月間利用額などプラン・商品に付随する条件と最新金利も公式サイトで確認。 |
| Private Banking | 最大8%以上の案件も。 | プライベートバンクは、富裕層向けの銀行口座です。小規模であれば500,000 AED から3,000,000 AEDの最低預金額で開きます。通常の人がアクセスできない金利や、投資商品が購入可能になります。 |
「年5〜8%」という一つの数字を、すべての銀行口座や全残高に当てはめることはできません。 特に給与振込が条件の商品を、起業直後の法人口座や非居住者向け口座にそのまま適用するのは誤りです。年利表示は将来の利息を保証するものでもありません。ただし自分で法人を作り、その法人から給与として自分に振り込めばこれは給与振込条件に該当する場合があるなどさまざまなやり方があります。
どちらにせよ、その時々でルールや利率は変わるため一度30秒程度でシミュレーションをすることを推奨します。私もこれをやって、どれだけドバイに貯金した時と、日本に貯金した時の将来的な差があるかが一目瞭然でした。また診断後に担当とZOOM面談もできる為とてもクリアになります。
個人口座と法人口座は、役割も審査も異なる
個人口座は生活費の支払いや個人資金の管理に使い、上のような預金商品を検討する入口になります。一方、法人口座の目的は、事業の売上入金・取引先への支払いや会計記録を適切に行うこと。銀行は会社の活動内容、実質的な所有者、資金の出所、取引先などを個別に審査します。
| 確認項目 | 個人口座・個人向け預金 | 法人口座 |
|---|---|---|
| 主な用途 | 給与、生活費、個人資産の管理 | 売上の受取り、事業経費、取引先への支払い |
| 審査で見られる情報の例 | 居住資格、本人確認、住所・給与情報など | 事業ライセンス、所有者、事業実態、取引目的、資金の出所など |
| 金利の見方 | 商品ごとの給与・残高・引出条件を確認 | 個人向け優遇金利が自動適用されるわけではない |
「法人を設立すれば高金利の預金口座が開ける」「支援会社を通せば審査に必ず通る」とは考えず、個人の資産運用と法人の資金決済を分けて計画しましょう。非居住者への対応も銀行・商品ごとに異なります。たとえば上で紹介したMashreqの商品はUAE居住者向けです。

個人口座の基本的な書類やデビットカードについては、上の銀行口座開設の関連記事も参考にしてください。
法人設立を検討するなら「口座開設後」から逆算する
金利をきっかけにドバイ進出を考える場合でも、会社の使い道が曖昧なまま設立手続きだけを先行させるのは避けたいところです。事業内容、入出金の流れ、維持コストを先に整理すると、銀行との説明が一貫しやすくなります。
- 事業と設立形態を決める。 どの国の顧客に何を提供し、メインランドとフリーゾーンのどちらで必要な活動ライセンスを取得するかを検討します。
- 銀行へ示す事業資料を準備する。 会社書類や所有者情報に加え、事業内容、取引先、契約・請求・資金の出所を説明できる資料を整えます。必要な書類は銀行・案件ごとに異なります。
- ビザ・居住・個人口座は別に確認する。 法人の登記と個人のUAE居住資格は同じ手続きではありません。希望する個人向け預金商品が、本人の資格や給与条件に合うかを銀行の規約で確認します。
- 開設後の会計まで見据える。 取引の記録、請求書、税務申告などを継続して整理し、銀行からの照会に必要な説明資料を残します。
設立費用やVISA、銀行・会計の費用をまとめて比較したい方は、既存のドバイ法人設立費用の記事へ。記載された金額や手続き期間は個別の条件や変更時期によって異なるため、申込前に見積書と銀行の最新条件をご確認ください。
金利以外に確認したい、円からの送金と維持費
UAEディルハム(AED)は米ドルとの連動を基本とする通貨ですが、AEDを預けることと、米ドル預金を持つことは同じではありません。日本円から送金するとき、円に戻すときには為替レートの変化や両替・送金手数料の影響を受けます。円換算での結果は、現地通貨の預金利息だけでは決まりません。
銀行選びでは金利だけでなく、口座維持費、最低残高、出金回数、入出金可能な通貨、途中解約条件、国際送金のコストも確認しましょう。住宅ローンや事業資金の借入がある方は、預金の受取利息だけでなく支払利息を差し引いた資金コストも重要です。銀行・商品ごとに信用リスクや適用規約も異なります。「高金利だから安全に増える」「石油が裏付けるから元本保証」といった断定はできません。 日本・UAEの税務上の取扱いは居住地と個別の事情で変わるため、必要に応じて税務の専門家に相談してください。
MDSに相談するときは、金利より事業の設計を伝える
銀行への申込そのものだけでなく、法人設立、事業ライセンス、VISA、銀行への説明資料、設立後の会計まで一つの計画として進めたい場合は、MDSの海外進出支援を比較対象にできます。MDSは自社案内で、日本語での法人設立・VISA・口座関連の書類や面談対応・会計支援を紹介しています。銀行への相談を検討する際はMDSの口座案内も入口になりますが、広告上の金利表示ではなく、実際に対象となる銀行・商品の最新規約で条件を確認してください。
相談時には「予定する事業と取引先」「個人口座か法人口座か」「UAEでの居住予定」「想定する入出金と通貨」「設立後に必要な会計対応」を伝え、支援の範囲・費用・対象銀行と、銀行自身が判断する事項を分けて確認するとよいでしょう。MDSの支援を利用しても、口座開設の可否、預金金利や税務上の結果を保証するものではありません。
次の一歩: まず法人設立・VISA・銀行・会計の費用と注意点を確認する。事業内容に合わせた設立形態や口座準備まで相談したい方は、MDSの海外進出サポートで支援内容と見積条件を確認してください。
よくある質問
UAEに住んでいなくても高金利の預金口座を使えますか?
商品ごとに条件が異なります。少なくともこの記事で挙げたMashreq NEO PLUS SaverとWio Personal Salary Planは、UAE居住者向けの個人商品です。しかし、非居住者でも申請できる口座は多くあります為、一度どの銀行がいいのかなどは担当と相談ください。(こちらの診断後に相談が可能です)
ドバイ法人を作れば銀行口座も自動で開設されますか?
いいえ。会社の登記と銀行の審査は別です。必要な資料、事業実態、所有者や資金源の確認を経て、銀行が個別に判断します。準備の順序や設立費用は法人設立の記事も参考にしてください。
「金利の高い銀行」を基準に設立地を選んでもよいですか?
事業目的があるなら、ライセンスの活動範囲、顧客・請求先、オフィス、銀行の適格性、維持・会計コストを先に見ましょう。個人向け金利だけで会社の採算は判断できません。
まとめ|銀行金利を入口に、設立後の運営まで見通そう
ドバイには高い数字を掲げる個人向け預金商品がありますが、それぞれ居住資格・給与・残高・出金回数などの条件つきです。事業のための法人口座は目的も審査も別。ドバイ法人設立を考えるなら、金利の訴求だけでなく、事業内容と銀行へ示す根拠、開設後の会計体制をセットで計画することが大切です。
ドバイ法人設立の費用と流れを読む / MDSの海外進出支援を確認する
参考・確認先: SOCPAの高金利口座の記事、UAE中央銀行の政策金利発表、Mashreq NEO PLUS Saver、Wio Personal Salary Plan。銀行の商品条件と金利は変更される場合があります。本記事は一般的な情報であり、預金商品・設立方法の推奨や口座開設の保証ではありません。