子どもの将来を考えてドバイへの教育移住を検討し始めたとき、最初に決めるべきことは「どの学校が一番有名か」ではありません。子どもの進路・家族の滞在資格・通学できる住まい・継続できる費用を、ひとつの計画として組み立てることです。
ドバイの学校には英国式、米国式、国際バカロレア(IB)、日本式などの選択肢があります。ドバイの教育監督機関KHDAの学校ディレクトリは、学校ごとにカリキュラム、学年、地域、費用表を掲載しています。この記事では、子どもに合う学校の選び方から入学、家族ビザ、住居選びまで、家族で実行しやすい順序でまとめます。
最初の結論:「学校候補を2〜4校選ぶ → 各校の年間総費用と英語支援・通学圏を照合 → 親と子どもの居住手続きを並行して進める」。この順序なら、学校に受かったのに住まいから通えない、入学の条件に必要な書類が足りない、といった行き違いを減らせます。

ドバイ教育移住の魅力は「選択肢」。だからこそ選ぶ基準が必要
KHDAの学校ディレクトリには200校以上の私立学校が掲載され、英国式、米国式、IB、日本式、インド式など、複数の教育課程から探せます。校名や「名門」の印象だけではなく、今のお子さんがどの学年に入り、卒業後にどの国の学校・大学へ進む可能性があるかから比較しましょう。¹
| 比較する軸 | 家族で確かめる問い |
|---|---|
| カリキュラム | 英国式・米国式・IB・日本式など。帰国や大学進学の予定とつながるか |
| 学年・入学時期 | お子さんの年齢と前校の学年が、転入先の何年生に相当するか |
| 言語サポート | 英語が母語でない児童への指導、クラス内の学習支援を受けられるか |
| 通学と生活 | スクールバスの路線と所要時間、保護者の働き方・住居候補に合うか |
| 費用 | 授業料だけでなく、教材、制服、送迎、課外活動を含めて続けられるか |
英国式のYearと米国式・日本式のGradeを数字だけで読み替えないことが重要です。 KHDAは、異なる年限のカリキュラム間の転校学年について、お子さんの年齢と前校での学習歴を踏まえて学校が案内すると説明しています。²

子ども本人に合うかを見極める五つの質問
見学・面談では「この学年の空席はあるか/必要な英語支援はあるか/転校証明は何が必要か/バスはどこを走るか/年間総額はいくらか」を聞いておきましょう。KHDAの評価と学校ごとの概要は比較の入口になりますが、子どもとの相性は授業の雰囲気や学校との対話も含めて考えるのが現実的です。
日本へ戻る可能性がある家族は、日本語の読み書きと教科学習をどう維持するかも決めておきたいところ。文部科学省によると、日本国籍の子どもが日本へ帰国した場合は就学義務が生じ、公立小中学校への編入は原則として年齢に応じた学年になります。³
学費は「授業料」ではなく、学校別の年間総額で見る
ドバイの学校の学費に一律の「日本円の相場」を当てはめると、学年・学校・為替の違いで見積もりがずれます。KHDAの各校にある School Fees Fact Sheet(学校費用ファクトシート)には、授業料に加えてスクールバス、教材、校外活動、課外活動など学校が請求し得る費用がまとめられ、適用のある割引・奨学金も記載されます。⁴
家族の年間予算=子どもごとの授業料・学校関連費+住居費+医療保険・交通費・生活費+初年度の渡航・入学準備費。兄弟がいる場合は、学校ごと・学年ごとに分けて計算します。
KHDAは2026–27年度のドバイ私立学校の授業料引き上げを行わないと発表しています。⁵ ただし、「どの学校・学年でも同じ授業料」という意味ではありません。家計表に入れる金額は、志望校の費用表と実際の入学条件に合わせましょう。
なお、UAEの公立学校は外国籍児童を一律に排除しているわけではありません。ただし政府の公立校入学案内には、保護者の雇用先、学年・成績、居住資格、定員などの条件があり、授業言語もアラビア語です。日本からの教育移住では、私立学校・日本式カリキュラムの学校を中心に比較する家族が多いでしょう。⁶
親と子どもの居住資格をどう整える?
学校の入学手続きと家族の居住手続きは別です。 UAE政府の案内では、有効なUAE居住資格を持つ親は、所定の条件を満たせば配偶者・子どもの居住資格のスポンサーとなれます。一般的な給与基準は月額AED 10,000以上、または住居の提供がある場合はAED 4,000以上。18歳以上の帯同家族には健康診断が必要です。対象年齢や続柄にも条件があります。⁷
就労・事業・投資など、親自身の居住ルートによって準備する書類と手続きが違います。「入学枠の確保」と「Emirates IDを含む正式な登録」を別の工程として予定するのがポイントです。KHDAの児童登録要件には有効なEmirates IDが含まれ、学校がKHDAのシステムへ登録し、保護者が電子契約を結んで初めて正式な登録となります。ID発行が遅れる等の例外には暫定登録の規定もあります。⁸
ただし現地の日本人に聞くと一番安全で早い方法は以下の2つのようです。
- 親が不動産などを1億円程度で購入しゴールデンVISAを発行、それに紐付け家族ビザを妻子に発行。
- 親が数百万円程度で法人設立し、その法人で投資家ビザを得て、それに紐付け家族ビザを妻子に発行。
- 親が企業に就職し従業員ビザを獲得し、その従業員ビザに紐付け家族ビザを妻子に発行。
特に法人設立がメインになる傾向にあります。というのも、ドバイではそもそもで税金がない代わりに業を成すにはライセンス料を払って収入を得る必要があります。このライセンスなしで個人事業や海外からの収入を得ることは禁止されており、それらを行なってしまうとライセンス違反としてビザの取り消しや銀行停止などにつながるリスクもあります。
また現地企業で就職する場合も、日本とは違いすぐに解雇できる為、一度解雇されるとせっかく子供が学校に入れたのにビザが取り消され帰国せざるを得ないなどのリスクからあまりこの手法は取られていません。また不動産を得てゴールデンビザを取得する方法は手出しで1億近くの資金が出ていくため限られた人にしか該当しません。
入学書類は日本にいる間に準備できる
旅券、前校の成績・在籍を示す書類、転校証明または修了証明は早めにまとめておきましょう。KHDAの保護者向け案内は、Grade 1を超える学年への入学では前校の就学証明が必要で、外国発行の証明書は英語またはアラビア語で提出し、それ以外の言語は法定翻訳者の翻訳・認証を要するとしています。² 一定学年以上の転入に求める証明と国外書類の認証要件はKHDAの児童登録ページにも記載されています。日本語の書類を、そのまま学校に提出できる前提で予定を組まないことが実務上の重要点です。
手続きの順番:学校と移住を同時に設計する
- 家族の方針を決める。 子どもの年齢、英語支援、帰国・進学の可能性、支払える年間総額を書き出す。
- 候補校を絞る。 KHDAのディレクトリで学年、カリキュラム、地域、評価・費用表を比較し、学校へ空席と必要書類を問い合わせる。
- 見学・申請を進める。 学校の面談・アセスメント、保護者との面談、前校の証明書類を並行して準備する。渡航前にできる作業は学校の遠隔見学・申請ガイドも参照。
- 親と家族の居住手続きを進める。 親の居住資格と子どもの帯同条件を整理し、Emirates ID取得からKHDA登録・保護者契約まで見通す。
- 学校と住居を結びつける。 通学ルート、バス送迎範囲、費用、保護者の勤務地を重ねて住居を決める。
- 入学後の生活を整える。 制服・教材・送迎、日本語学習、健康管理、学校との連絡窓口を決める。
※この順序は全家族に共通する検討の枠組みです。各学校の募集時期・定員と家族の居住資格によって、実際の申請日程は変わります。
よくある疑問
英語がまだ得意でなくても入れますか?
入学基準は学校と学年で異なります。空席の有無だけでなく、英語を追加言語として学ぶ子への支援内容と利用条件を、学校に直接聞くことが大切です。保護者側も面談・学校連絡に対応できる方法を用意しておくと安心です。
日本の4月入学とドバイの学年はずれますか?
KHDAの保護者向け案内によると、日本式の学校年度は4月〜翌3月、その他多くのカリキュラムは9月〜翌6・7月です。年齢と前校の学年をもとに転校先の学年が決まるので、志望校に両方伝えて確認します。²
学校が決まる前に家を借りてもいいですか?
可能ですが、毎日の通学時間やスクールバスの対象地域が見えてから契約するほうが比較しやすくなります。家賃だけで選ばず、学校・通学・仕事の3点を地図上で合わせましょう。
家族の教育移住を「学校だけ」で終わらせないMDSの支援
学校選びと同時に、家族ビザ、住居、銀行口座、事業や仕事の準備も動きます。学校に必要なEmirates IDをいつ整えられるか、通学に合う住まいをいつ契約するか——家族全体の工程をまとめて考えることで、入学準備が進めやすくなります。
MDSの海外進出・移住サポートは、日本語でのVISA、住居・不動産、銀行口座、法人設立・会計税務などの支援を案内しています。MDSは自社のサービス紹介記事で、学校に関する支援や顧客交流会にも触れています。子どもの学校と大人の移住手続きを別々に進めず、家族の希望校・家計・居住ルートを一緒に相談したい方には、選択肢になるでしょう。
相談時に伝えると話が早いこと:子どもの年齢・現在の学年、希望する教育課程、入学希望時期、家族構成、親の仕事・事業、住居予算。これらを整理したうえで、学校相談の具体的な範囲やVISA・住居支援の内容をすり合わせてください。
まとめ:選択肢の多さを、家族に合う計画へ
ドバイ教育移住を現実的に進める鍵は、「学校の名前」ではなく、学校・学費・子どもの学習歴・家族の居住資格・住まいの整合です。まずKHDAの学校ディレクトリで候補を絞り、学校別の費用表で年間予算を作り、入学書類と家族の居住手続きを並行して進めましょう。学校との連絡やビザ・住居をまとめて相談したいなら、MDSの支援内容からご家族の計画に合う範囲を確認できます。
出典・確認資料
- KHDA|Dubai Schools Directory(学校・評価・費用表)
- KHDA|Guide for Parents(年度・学年・証明)
- 文部科学省|外国から帰国した学齢児童生徒の就学手続
- KHDA|School Fees Fact Sheet
- KHDA|2026–27年度の私立学校授業料に関する発表
- UAE政府|公立学校への入学条件
- UAE政府|家族の居住ビザ
- KHDA|Register New Student
資料確認:2026年10月。学校ごとに募集枠・費用・提供する支援が異なるため、本文は共通する公的ルールと選び方を中心に記載しました。